ENo.0122　鬼灯

『はー！やあやあ面白いね！！鬼灯が二人いると本当面白い！！！』

「馬鹿言ってんじゃねえよ、くそ女神が！」

『なんでさ、言ってたよー？文献は読んだ方がいいって。真実を知ることを放棄したのはそっちさ』

「…………」

『ほらー、都合悪いと黙った！今の鬼灯はそういうところよくないよ』

「じゃあ教えろよ、女神、それにセセリもだ。お前らどうしたいんだ」

『ん？簡単なことさ』

女神は笑みを一つ零す、いや、ずっと笑っているのだけれども。

『あのね、禁呪を使われた鬼灯は鬼灯の飾り物になっちゃうの、きみがあげた簪みたいに』
『で、きみはそれをつけていなくちゃいけない。慌てて買い戻したくらいだから分かってるんだろう』
『きみの場合はそれが手甲。外したから禁呪を使われた鬼灯は出てきちゃった』

「まあ妾が現れたのはそういうことじゃな」

「……その後だよ、俺はどうしてセセリが出たとか聞きたいんじゃない」

「スイは酸漿が何故性別がなく、鬼灯に選ばれて決まるのかは文献で読んだかの」

「読んでねえよ」

「全く、本当に読んでおらぬのじゃのう。そこがおぬしらしい」

「馬鹿にしてんのか？」

「ふふっ、まあ茶化してはおるかもしれぬのう」
「知恵がある者ほど女性になりやすいと聞く、逆も然り……スイが男なのは、まあそういうことじゃろう」

「完全に馬鹿にしてんじゃねえか」

『要は禁呪の真を知ってる奴はほぼ女になるし、知らない奴は男になるよ！』

「真って何だよ、俺が知ってるやつとは違うのか？」

『違うよー、その後が大事なんだ。こうやってセセリみたいになれた鬼灯は』
『魔王じゃなく、女神を受け継ぐ』

「女神……って、今のお前の存在か？」

『ぴんぽーん！』
『魔王は簡単に継げるけど、女神はなかなか継いでくれる鬼灯現れないから何百年も生きて飽き飽きしてたんだよ』

「…………」
「セセリ、お前それでいいのか？」

「うむ、構わんぞ！女神になると願いが一つ叶うらしいしのう」
「それに……」

「それに？」

「ま、この話は最後の勇者退治を終わってからするかのう」

「なんだよ……ったく、じゃあしっかりやんねえとな」

『わーい、頑張れー！』

「黙れクソ女神」




「それじゃあ」

れっつ、てぃーこん！





エピローグ
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