ENo.0033　ウィープ=スキレット

……はて、また摘発されたわけだ……
怒られ……あれ、怒られない？

「……まおー様、何を怯えているんですか？」

「いや……怒られると思って……」

ウィッチ――アルイレーラにジト目で睨まれる魔王

「いや、別にちゃんとしてたじゃないですか今回は。なんでもかんでも起こるわけじゃありませんよ？」

はぁ、とため息をつく。

「そ、そうか……」

「……撫でてあげましょうか？　よくできましたねー、残念でしたねーって」

「……お前やっぱりバカにしてない？」

「してないですよー、よしよし」

角と角の間を撫でるウィッチ――命知らずであるが

「……なんだかむずかゆいな？」

「あの、そういう反応ちょっと予定外で困るんですけど」

「な、慣れてないんだからしょうがないだろ！」

――果たして魔王城（摘発中）どうなる――！？

～～今回はお疲れのためアルイレーラの出番はありません

あらゆる種類の木々がねじれ、取り込まれた一本の大樹が生えている。 焦げかけの看板に『プランタ・タルタリカ『ルマ 』・バロメッツ』とあるが特に羊が生えてくる様子はない。
様々な形の葉が作る木漏れ日の下にあるハンモック、はめ込まれた丸い窓。ごつごつとした木肌葉が黄色赤に色づき、時々あるところから甘い香りの煙が立ち上る以外このツリーハウスに変わった様子はないようだ。
朝焼けを浴びると燃えるような輝きを見せ、ぱきり、ぱきりと樹が伸びる音がして、目覚ましがわりになる。正直早すぎる。