ENo.0033　ウィープ=スキレット

「バカはいるかしら、バカ」

狭苦しい魔王の間　そんな中にド失礼なウィッチの登場だ

「バ、バカとはなんだ！　この前はもうちょっと隠そうとしてただろ！」

「は？　お金の計算できないの？　足し算に引き算わかりますか！？　大丈夫ですか頭？ っていう目見えてる？　そこらへん大変なことになってるけど、ああもしかして耳も聞こえてないのですねこのバカ」

「見えてるし聞こえてるわ！　それに知らんわ！　そんなことやったことなかったんだよ！」

「見えてんのほんと！？　奈落へ落ちるわよ！？　私もそんなために生まれてきたわけじゃないのよ？」

どさくさに紛れてとんでもないことを言い始めるアルイレーラ

「いやーこうなんとかなるだろーって途中で寝ちゃったらねー」

「……あんた本当に魔王だったの……？　え、何？　同音異義語かなんかなんじゃない？」

「ほんと失礼だなお前！　あっちの世界は平和だったし専門でやってくれる人いたから……魔王はこう魔王でいるだけでよかったんだよ……」

しゅん、としてしまう片角の魔王。

「……はぁ、まったくしょうがないわね。手伝ってあげるからもう少し頑張りなさいよ」

「お、デレか？」

「あんたのもう1本の角も折ってやろうか？　ああ私が魔王になりかわってやればいいのかしらね」

「ひ、ひっ、ごめんなさい冗談ですありがとうございますありがとうございます……あれ、ところでもう一人作ったアレどうした？」

なんとなく男も居たほうがいいだろうとして作ったはずの王子……だが、その姿は見えない。

「あぁ、あれですか。クソみたいな惨状見てるときに軽薄な言動と触れようとしてきたので杖でぶん殴ったら転がったのでそこらへんで倒れていると思いますよ。奈落に落としてあげようかと思いましたけど、役にも立たなそうなんで放っておきましたよ」

「……くれぐれも殺さないようにな？　あとそろそろ傷つくよ……」

「まぁあんなのでも価値はあるでしょうし……殺してはいませんよ。面倒ですし？　あと魔王さまに関しては自業自得なので反省してください……まったく、というか売り払って違うもんいれたほうがいいんじゃないですか？　私含めて」

「ば、バカ！そんなこと言うもんじゃない！　それになんていうか美学ってもんがあるだろこう知的な城をめざした……あ、すみませんそのジト目やめてください……で、でもせっかく初めての部下だからな……一緒に頑張ろうな」

「……威厳もう少しつけてくださいよ……」

ため息の止まらないアルイレーラであった。

――魔王城（赤札まみれ）――いったいどうなってしまうのか……！？






「……っていうかお前がいるから違法性はんぱないんじゃ……」

「あ？　なんか言いましたか？」

「いえ、何も」

あまりにも魔王が使えない……そんなお方はいらっしゃいませんか？　苦労を分かち合って魔王をなんとか使えるようにしましょう！