ENo.0033　ウィープ=スキレット

「さて、摘発をされたわけだが？」

ここは魔王城、魔王の間

いるのは2人の影――魔王ウィープとその僕ウィッチのアルレイーラであった。



「知りませんよそんなこと。大方なにか悪いことをしたのではないですか？」


「そんなことするしているものか。少し元の魔力をお前らに注ぎ込んだり罠の改造をしたりはしたけれど」


「それですよバ……ごほん、魔王さま」


「は？　お前バカって言ったか？　言おうとしたな？」


「ソンナコトナイデスヨ。　ただ、そんな事したら目を付けられるに決まってるじゃないですか」


「んなもん既製品とか普通のよりも我が力を授けたほうがなんというか……魔王っぽいだろう？」


「そんな美学だかバ学なんてしりませんよバ……バカ。勤め先がいきなりブラックじゃないですかこんなの」


「お前本当に図々しいな！？　一応魔王だぞ魔王、お前作った！？」


「だってこれくらい言わないと絶対次も『あぁ、まぁ今回は偶然だろう。さて次はどんな奴を作ろうか』とかいってとんでもない生物生み出してそうですし」


「そ、そそそそそんなことはないぞ？」


「……はぁ。全く、魔王さま説明聞いていたんでしょう？　そうじゃなきゃ作られたワタシが知っているはずもないんですよ。なのになんでここまでダメなんですかね……」


ネームドの個体として生まれたウィッチ――アルレイーラはその知識を確かに継承していた。


「分かったよ今回はまともなのにしておくよ……」


「あと罠も買い替えですよ買い替え。あんな危なっかしい罠置いとくとコッチにも被害出ますからね」


「んな！？　せっかく作ったのにか！？　この鬼！　悪魔！」


「そんなこと言われてもしょうがないじゃないですか、摘発され続けたら住むトコなくなるんですよ、わかってます？」


「……はい、すみませんでした」


――どうなる、魔王城（摘発中）――！！！