ENo.0071　魔王【悲劇の王】

【登場人物】
悲劇の王……違法をあげたいけど、お金が無く、じっと己の手を見る。
継ぎ接ぎの騎士…甘いものが食べたくなっている。頭を使うと、甘いモンが食べたくなるんだわ。

【一言日誌】
目指せ違法９００（の下準備をしよう…）

【日誌】
＊＊＊
　……雨が降っていた。鎧を叩く雨は、己の血を大地へ流す。
吐く息は震えていた、身体は冷えていた。
ただ思考だけが、熱く残っていて。
どうしてこうなったんだ、という問題をぐるぐると解のない迷路へと投げ込んでいた。
かろうじて視界を動かし、空を見る。
そこに空は無かった、世界が喰われていた。
もう終わりだと、目を閉じればいいのに。
諦められなかった。
俺の世界が、こんな、意味も無く食べられるだけだなんて。

――瞬きをする、目の前に男が立っていた。
男は、雨に濡れた目で俺を見る。……なんだか、笑っているのに泣いているような奇妙な表情だった。
『　　　　　』
あのとき、彼は何を言っただろうか。


目を開ける、――欠けた夢を見ていたようだ。
＊＊＊

頭のうえの柔らかい生き物は、なんだか軽やかにステップを踊っている。
……にくまんののろい、早いところ解けないものだろうか。