ENo.0236　ミニモフッズ

「…………」

…………

やはり見ていた。それも嫌な悪夢を。
ミニ監視もふは渋い顔をしながら、先程起こった事を振り返っています。
レヒル主任も戦っていた。
全てを救うために。ルクロフィーナ主任を護るために。
そのルクロフィーナ主任すら騙して、孤独に戦っていた。
それなのに、ルクロフィーナ主任はデバステイター・ユニットにされてしまい、ネウ主任もグリスター・ユニットにされてしまった。

「ぴい……」

悲しい鳴き声が零れ落ちました。
あんまりだ。こんな事って。
ミニもふ達の小さな胸が痛みます。
レヒル主任の悲しみはこんなものではないでしょう。
でも、自分達に何が出来るだろう。
小さなこの手で何が出来るだろう。
沈黙が重く重くのし掛かります。

「……お店を、開きましょう」

重い沈黙を追いやったのは、意外にもラウでした。
凛とした声にミニもふ達は顔を上げます。

「お店を開きましょう。いつも通りに。私にはそれしか出来ませんから……」

「ぎゃうう……」

お店を……

「ぴゃあぷ……」

開く……

逃げた時の事を思い出しました。
ネハジャがレヒル主任に言いました。

「レヒルさんを満足させてみせる！」

ネハジャはこんな時でも商売を続けるのでしょう。
それなら……

「……ぴゃいあ」

……やろう。

「ぴゃあぷ」

お店。

「ぴゃいあぷう」

やりましょう。

「ぎゃうう！」

お店！

「ええ！こんな時だからこそ、いつも通りにやりましょう！」

うん！とばかりにミニもふ達は頷きました。
くよくよしていても仕方がない。
けど、何をすればいいか分からない。
それならいつも通りにお店を開く。
だって魔王なのだから。

「ぴゃーい」

よーし。

「がうあー！」

やるぞー！

「「「ぴゃー！」」」

おー！

ミニモフッズ、本日も開店です！

もふもふもふもふ……
とにかくもふもふにまみれ、その魅力に取り憑かれるだけのユニオン。
もふもふを可愛がるもよし。もふもふに可愛がられるもよし。