ENo.0194　鍵原ユキと天眼石蝶也

「……」
「店長、最近ぼんやりしてるっすね」
「ん？あー……春だから」
「そんなもんっすか」
「あと貢物がわけわかんなかったり……枕元にエンジェルを置いてくる子がいたり……」
「……」
「……」
「ごめんなさい」
「よろしい」

「あとは……まあ、お墓参りにいけないなあって思ってさあ」
「お墓参り」
「そ、お墓参り。勝手に作って、勝手に墓参りしてるの。ぼくネコマタだから立派なお墓なーいの」
「別に店長は入ってないんじゃあ」
「それもそうなんだけどね。……あーあ、また変な夢見ちゃう」
「……」
「話、聞くかい」
「店長が話したいだけっすよねそれ」
「んーん、ぼくこの話あんまり好きじゃないんだよねえ。途中で吐いちゃうし」
「じゃあ別に」
「でも、この話をした上で、ユキちんに問いたいことはある」
「えっ」
「あ、そろそろお店の時間だねえ。……あとで、終わって覚えてたら、話すね」
「えっえっ」