ENo.0035　北風の魔王『ターピ』

「なにを、って」

「僕、何も知らないです」

何故か店長の目が怖く見える。

「私の…知らないもの……知ってい…た」

それだけいうと店長はツリーハウスの奥の方へ、ふわふわ漂って行ってしまった。


「本当に何も知らないんですってば」

不安な気持ちでいっぱいになって、僕は首にかけられた首飾り(ホントにそうだろうか。そうだとしたら斬新なデザインだと思う)の紐を羽に巻き付けたり緩めたりしていた。

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ツリーハウスの最も高い場所。
風のよく通る所にターピはいた。

「どうして…気づけなかったの……」

「……まっさらな子供じゃ……なさそう…」

「…ねむい……」

アンデライトの術導師『シルウェストリス』のように風に耳や服をはためかせ、うとうとと船を漕いでいるが、その面持ちはほんの少しだけ真剣に見えた。

「…私にとって『予見』は……風にのって……舞い落ちるもの」

「それが、今ここで……都合よく…降ってこないかと……」

「望んでしまう……のぅ……」

あらゆる種類の木々がねじれ、取り込まれた一本の大樹が生えている。

『プランタ・タルタリカ・バロメッツ』と書かれた看板があるが特に羊が生えてくる様子はない。

様々な形の葉が作る木漏れ日の下にあるハンモック、ごつごつとした木肌にはめ込まれた丸い窓。




これは『気品』ある、巨大なツリーハウスだ。


・気品ユニオンをします
・ツリーハウスへの来訪、宿泊、生活が可能です
・カントリーな雰囲気のおうちライフが楽しめます
・火気許容状態