ENo.0006　凍てつく雪の魔王『フロワ』

『まおう』。まほうをすべる王。それが、フロワたち。
『ゆうしゃ』。まおうを　たおすために　生まれた　戦士たち。

それが…。フロワたちの　おやしきに　せめこんできたの。

ミカヅチ…。フロワをねらう　ゆうしゃは、電気をおびた　つるぎをふりかざしながら、せまってくる。

せっかく　自由になれたのに、このまま　ころされるのは　いや…！
フロワに　らんぼうするヒトは　ゆるさないの…！

かんじょうが　あふれだす。ずっと　おさえつづけていた　力が、はじけとんだ。

フロワのまわりに　いつのまにか　あらわれていた、氷のまほうのワナと、たくさんの　新しいおともだちの力で、ゆうしゃは　パラパラと音を立てて、消えた。
ふりつもった　白いこなの上に、ほうせきのようなものをのこして…。

ほうせきは　氷だった。拾ってみると、とても冷たい。氷の中で、光が外に出ようとあばれていた。
ゆうしゃの　たましい、なのかな？

…これが、フロワの力。あらゆる“もの”をこおらせて、とじこめる力。
ゆうしゃは　強くて、こわかったけど…。

でも。

フロワは　りゅうだから、きっと　だいじょうぶ、なの。

あらゆる種類の木々がねじれ、取り込まれた一本の大樹が生えている。 焦げかけの看板に『プランタ・タルタリカ『ルマ 』・バロメッツ』とあるが特に羊が生えてくる様子はない。
様々な形の葉が作る木漏れ日の下にあるハンモック、はめ込まれた丸い窓。ごつごつとした木肌葉が黄色赤に色づき、時々あるところから甘い香りの煙が立ち上る以外このツリーハウスに変わった様子はないようだ。
朝焼けを浴びると燃えるような輝きを見せ、ぱきり、ぱきりと樹が伸びる音がして、目覚ましがわりになる。正直早すぎる。