ENo.0082　花咲巴御前友則

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あまり売れませんでしたね。まぁ、売れないのは承知の上でした。ただの仕込みのため……とは名ばかりの、油揚げを大量に買ったお馬鹿のせいで施設の充実化ができなかったからです。

この地域では、売るには多くの手段が存在します。けれども、売るボーダーというのも存在するわけです。それに達していない場合、売り上げは著しく下がる。前回のような状態ですね。

で、今回はどうしたかと言いますと。施設を充実させ、より目立つ、よりやる気の高いお店にします。こうすることで、確実にお店にいらっしゃった方に油揚げを――

油揚げだけ置いてる店ってどう考えても需要ありませんよね？　後なんで私こんなに真面目に考えてるんでしょうか。アルバイトみたいなものですよ過去の経験。そう考えると余計に私この商売向いてないんですよ。

まぁ、四の五の言ってられないと言いますか。頑張らないといけませんね。それまで、見つかりませんように……

……ところで、着がえがほしいです…その、この身体に合う服が、調整ができる着物以外ないんですよ……

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あ、今回のものなんですけど。

『それについては用意するから心配不要じゃな』

真面目に働くんですねついに。

『……？』

何言ってんのこいつみたいな顔しないでもらえます？

『考えるのはそっちじゃろ？』

はぁ。もういいです、自分で考えます。全部。変な手伝い方しないでくださいね。後何作るかだけ後で教えてください、それも考慮しなきゃいけないので。

『竜じゃよ』

……は？

笑顔を振るまう狐が置いた灯火。
炎は舞い笑顔を彩る。