第5週目 ケセミア・テレスコープの一週間
◆日記
「サービス業務が成功しません」
きっかけは粗利益が赤字になったことを嘆いて零した発言だった。
ケセミアは頭でキーボードをたたくと、不規則にタイプされた文字が一斉に表示される。すぐに額を抑えながら痛みに苦悶を上げるケセミアに、金髪で片目が隠れた機械人形が答える。
より正確には機械人形は2体おり、それぞれ左右の眼が隠れているのが特徴と判別できる双子の容姿の人形である。一号機をヤバル、二号機をユバルという名を与えられた兄弟機は魔王を挟み込むような形で陣取る。
「それは当然だ」
「それが自然なことだ」
二方向から同時に声を掛けられる。どちらも同様の返答を以って、ケセミアに降り注ぐ。その答えは、と続きを促すケセミア。
「「だって好感が足りていないじゃないか」」
何を言っているんだ、と星の瞳が瞬いた。
星読みが推すのはダンジョン経営――観測城を解放し、すべての人に星の輝きを見てもらうサービス。星の輝きは千差万別あらゆる人に降り注ぐべき平等の光であり、ヒトを魅了してやまないはずだのに。
「……星は、綺麗なはずです」
その語調は、ムキになって呟かれた吐露に近い。
子供がむすっと膨れるような反応に、ヤバルとユバルが囁く。
「論点はそこではない。問題は魅せ方の問題さ」
「注目すべきは異なる。要は売る人側の問題さ」
双子の機械人形は魔王の椅子の手もたれに腰かけた。ただでさえ脆い椅子は三人分の重さに耐えかねて軋み喘ぐが、そんなことはお構いなしに魔王へと、不遜にも肉薄した。
ケセミアは狼狽える反応はしないが、熱反応が近くなったことにムズ痒くなる。
「いくら星を綺麗に映す投影機を開発したって、どれだけカルマ勇者を屠れる機械人形を造ったって、見て貰えなければ何もできない」
「その点は、前代の魔王サマ達も似たように失敗していた。人を嫌った故に人に見限られ、手を差し伸べられず、助けを請うこともできず幻想に潰えた」
――人に好かれるにはどうしたら良いのだろう。
兄弟が過去から参照する言動に、失敗を重ねないように努めようとする姿に同調してふと思う。
元々、ケセミアを含む星読み達は「星が恋人」だった。遠くから眺めるだけが喜びと思うような、一般的に異端とすら排される存在である。
同じように、特定種族――あるいは同族の中でも固定された人種を至上とするような存在がかつていた。ブルーメンバッハといった人間による種族の定義・偏見が最もかかわり深い話だ。
彼らはこぞって自分たちが一番と主張し、その他有象無象を切り捨てんとしていた。
ともあれ他者を排する思想はすべてをリスタートさせるこの世界の在り方からして、数世紀分リスタートを繰り返せば「どうでもいい」ものとなり、現在に至る。
少なくとも星読みが統治し、観測していた国はそんなものばかりだったと記録されている。
前代の魔王は、孤独死して消えたという。カルマ勇者に撃退されることもなく、ただ機械達に任せてカルマ勇者を狩り、魔王は指一つ動かさなくて良い状況を作った。
頑強な白亜の城は確かに魔王を護ったが、人嫌いの星読みの系譜は他の魔王と交流もせず、民との対話も行わず、人知れず死んでいったという。
ここでケセミアは疑問を投げる。なぜ孤独になると死ぬのだろうか。こうしてケセミアも独り、生命として生きているのは変わりないのにその兆候は見受けられない。
発生要因があるのか、何かトリガーがあるのか、発動条件を満たすものはなんなのか。
思考――演算――確率を収束。仮想定義を構築。過去の結果から情報を洗い流し、より洗練された結果を仮定する。
星の瞳に0と1で構成される計算が浮かび上がりそうな程に濁った星の瞳と浮ついた唇。「計算中」とぶつぶつ呟かれ始めたのを見て、双子はケセミアの目の前で手を叩いた。
「あ……あれ……?」
肩が震え、驚嘆する。気絶してから意識を取り戻したかのように呆けるケセミアに、ヤバルは咳払いをして仕切り直す。
「ともかく、これまでの星読みの魔王のやり方は推奨されるものではない」
「なので一緒に好感度を上げる方法を考えよう」
◆
二人の人形と魔王によって数時間ほど相談をした結果。
『サキュバス型とウィザード型で、来訪者を洗脳するのはどうでしょう』
ケセミアからの身も蓋もない提案によって一時可決とし、製造現場へ報告されることとなった。
確かに感情を操作、または抑制、制圧からの解放をひとつの解とするのは正しいことだし、好感度を上げる手段としては間違っていない。現場の負担も少なければ理にかなっている手法である。
こと『感情に付加されるモノ』についてケセミアの中ではまだ定義されておらず、一方的な恋愛感情を押し付ける『星読みらしい』前進的な発言だと機械達は総員頷いた。
「星に恋をした」などと私的な表現で表される彼らの在り方は、一言で集約するなら感情の押し付けである。一方通行の感情を与え、される側には迷惑を被る可能性とてあるひどくエゴのある感情だ。
星がどう思っているかも不明なくせ、厚顔にも彼らに手を伸ばし、眺めることを好しとする。それが善悪に分かれるものでないにせよ、その感情が行き過ぎた結果が星読みの滅びの末路である。
その結果を一度見守っている星読みの魔王の従者達は、そうならないようにコントロールしなければならない。機械として生まれ、人として生きる使命を負ったケセミア・テレスコープに、よもや歴代の星読みと同じ結末を辿るのは推奨されない。
ただ、ケセミアの出した一時的結論はそれでも、今までの星読みに比べればいくらか外へ向けて発信しようとしている前向きなものなので、これはこれで良いと機械達は可決することになった。
急ピッチで製作が進められ、試験投入段階まで一週間ほど時間をおいて、いよいよ投入し始めたころ。
「星読みの魔王サマ、報告があるよ」
「星読みの魔王サマ、大変な話だよ」
黄昏時、太陽の沈みも早くなり、準備を急がねばならない時分。
星を観測しに行こうと屋上へ上がり、望遠鏡の調整をするケセミアに届いたのはマイペースな――幾分焦りの色を見せつつもある――ヤバルとユバルの声だった。
「はい、伺いましょう」
「現在、カルマ勇者が猛スピードで魔王サマの元に近づかれています」
「はい……はい?」
――この魔王城に向かうには、星読みの城のある山岳地帯を抜け、地下に設けられたダンジョンを潜り、多数の無人機が蔓延る城内を突破しなければならない。
今のところの配置はサキュバス、ウィザード、ハーピィが主軸となっているので戦闘行動は極度に苦手だが、対カルマ勇者に長けた精神干渉に長けた登用をしていると自負があった。
「でしたら他の、もっと実践的なタイプの投入を」
「いや、そうではなくてだね」
「ああ、そうではなくてだね」
そう、双子の機械は平行にピタリと指を指す。
「山岳も地下も城も、全部無視してこちらに来ているんだ」
「言っただろう、魔王サマの元に近づかれていると」
古今東西、あらゆる種族は同族の中でも固定された人種を至上とする動きがあった。
しかしその価値観は既に歴史の中に埋もれ、人間の中では機能しないものになった。
――ただ、カルマ勇者だけはどうあっても魔王を滅そうとしている。
赤子が大人へ成長するように、極々当たり前の理論として。古びた機能として歴史に葬られず伝えられてきた。程度の差はあれ、カルマ勇者と魔王は敵対するシステムとなっているのがこの世界だ。
そういった概念があるのなら、地道に地を歩き、ダンジョンを渡り、数多の強敵を下した後に戦うのが魔王と勇者にとっての必定だろう。
このシステムの配下にいるならマップを無視して飛んできて、あまつさえ報告《アポ》なしで魔王と対峙するのは不可解である。
命令を出さないといけない。振り返り、ヤバルとユバルに防衛指示を出そうとして、彼らが同時に外壁に吹き飛ばされる光景を見た。
「……はい?」
数秒間掛けてやっと絞り出したのは、さっきの兄弟たちに対する返答だったもの。
彼らがいた場所から先は瓦礫となり、これまで傷一つ付かなかった白亜の路を抉れた道筋が月光に輝いている。
「当機はカルマ勇者『熔けぬ焔』コードナンバー1301」
先ほど見ていた光景――ケセミアの真後ろから声がかかる。瓦礫の道を作り出した主をやっと視認できた時、ケセミアの瞳は潤み始めていた。額から汗が流れ、『恐怖』を獲得するに至る。
暁の輝きは消え失せ、膨大な星々を背にカルマ勇者と名乗るそれが、名乗りを上げる。無機質で女性的な顔立ち。青白い銀の髪と金色に輝く瞳はどこか作り物に思える。令嬢を思わせる衣服の腰元からはプラグ状の尾が伸びていて、所々機械部品が露出して見える。
その姿に、畏怖と共に安心感を抱いてしまう自分に困惑した。
――星読みの魔王が持ちうる知識を保存し、幾たびのリスタートを乗り越えたとして、他者がそれを乗り越えられなかったという結論には至らない。
アレは間違い無く歴史の塵を乗り越えることを繰り返したモノであり、この勇者は機械だと判断する。
「貴機は星読みの魔王と推測する。いざ、手合わせ願おう」
「……せめて玄関から入ってやり直して」
勇者と名乗る蛮行者に向けたのは、涙目ながら逃げず啖呵を切ろうとした震え声である。
『やり直し』を命じられた勇者(ごうとう)は追撃する間もなく、防衛機構によって発動した転送装置によって姿を消した。
「……まおうって、たいへんですね」
そう、涙声で思うケセミアだった。
きっかけは粗利益が赤字になったことを嘆いて零した発言だった。
ケセミアは頭でキーボードをたたくと、不規則にタイプされた文字が一斉に表示される。すぐに額を抑えながら痛みに苦悶を上げるケセミアに、金髪で片目が隠れた機械人形が答える。
より正確には機械人形は2体おり、それぞれ左右の眼が隠れているのが特徴と判別できる双子の容姿の人形である。一号機をヤバル、二号機をユバルという名を与えられた兄弟機は魔王を挟み込むような形で陣取る。
「それは当然だ」
「それが自然なことだ」
二方向から同時に声を掛けられる。どちらも同様の返答を以って、ケセミアに降り注ぐ。その答えは、と続きを促すケセミア。
「「だって好感が足りていないじゃないか」」
何を言っているんだ、と星の瞳が瞬いた。
星読みが推すのはダンジョン経営――観測城を解放し、すべての人に星の輝きを見てもらうサービス。星の輝きは千差万別あらゆる人に降り注ぐべき平等の光であり、ヒトを魅了してやまないはずだのに。
「……星は、綺麗なはずです」
その語調は、ムキになって呟かれた吐露に近い。
子供がむすっと膨れるような反応に、ヤバルとユバルが囁く。
「論点はそこではない。問題は魅せ方の問題さ」
「注目すべきは異なる。要は売る人側の問題さ」
双子の機械人形は魔王の椅子の手もたれに腰かけた。ただでさえ脆い椅子は三人分の重さに耐えかねて軋み喘ぐが、そんなことはお構いなしに魔王へと、不遜にも肉薄した。
ケセミアは狼狽える反応はしないが、熱反応が近くなったことにムズ痒くなる。
「いくら星を綺麗に映す投影機を開発したって、どれだけカルマ勇者を屠れる機械人形を造ったって、見て貰えなければ何もできない」
「その点は、前代の魔王サマ達も似たように失敗していた。人を嫌った故に人に見限られ、手を差し伸べられず、助けを請うこともできず幻想に潰えた」
――人に好かれるにはどうしたら良いのだろう。
兄弟が過去から参照する言動に、失敗を重ねないように努めようとする姿に同調してふと思う。
元々、ケセミアを含む星読み達は「星が恋人」だった。遠くから眺めるだけが喜びと思うような、一般的に異端とすら排される存在である。
同じように、特定種族――あるいは同族の中でも固定された人種を至上とするような存在がかつていた。ブルーメンバッハといった人間による種族の定義・偏見が最もかかわり深い話だ。
彼らはこぞって自分たちが一番と主張し、その他有象無象を切り捨てんとしていた。
ともあれ他者を排する思想はすべてをリスタートさせるこの世界の在り方からして、数世紀分リスタートを繰り返せば「どうでもいい」ものとなり、現在に至る。
少なくとも星読みが統治し、観測していた国はそんなものばかりだったと記録されている。
前代の魔王は、孤独死して消えたという。カルマ勇者に撃退されることもなく、ただ機械達に任せてカルマ勇者を狩り、魔王は指一つ動かさなくて良い状況を作った。
頑強な白亜の城は確かに魔王を護ったが、人嫌いの星読みの系譜は他の魔王と交流もせず、民との対話も行わず、人知れず死んでいったという。
ここでケセミアは疑問を投げる。なぜ孤独になると死ぬのだろうか。こうしてケセミアも独り、生命として生きているのは変わりないのにその兆候は見受けられない。
発生要因があるのか、何かトリガーがあるのか、発動条件を満たすものはなんなのか。
思考――演算――確率を収束。仮想定義を構築。過去の結果から情報を洗い流し、より洗練された結果を仮定する。
星の瞳に0と1で構成される計算が浮かび上がりそうな程に濁った星の瞳と浮ついた唇。「計算中」とぶつぶつ呟かれ始めたのを見て、双子はケセミアの目の前で手を叩いた。
「あ……あれ……?」
肩が震え、驚嘆する。気絶してから意識を取り戻したかのように呆けるケセミアに、ヤバルは咳払いをして仕切り直す。
「ともかく、これまでの星読みの魔王のやり方は推奨されるものではない」
「なので一緒に好感度を上げる方法を考えよう」
◆
二人の人形と魔王によって数時間ほど相談をした結果。
『サキュバス型とウィザード型で、来訪者を洗脳するのはどうでしょう』
ケセミアからの身も蓋もない提案によって一時可決とし、製造現場へ報告されることとなった。
確かに感情を操作、または抑制、制圧からの解放をひとつの解とするのは正しいことだし、好感度を上げる手段としては間違っていない。現場の負担も少なければ理にかなっている手法である。
こと『感情に付加されるモノ』についてケセミアの中ではまだ定義されておらず、一方的な恋愛感情を押し付ける『星読みらしい』前進的な発言だと機械達は総員頷いた。
「星に恋をした」などと私的な表現で表される彼らの在り方は、一言で集約するなら感情の押し付けである。一方通行の感情を与え、される側には迷惑を被る可能性とてあるひどくエゴのある感情だ。
星がどう思っているかも不明なくせ、厚顔にも彼らに手を伸ばし、眺めることを好しとする。それが善悪に分かれるものでないにせよ、その感情が行き過ぎた結果が星読みの滅びの末路である。
その結果を一度見守っている星読みの魔王の従者達は、そうならないようにコントロールしなければならない。機械として生まれ、人として生きる使命を負ったケセミア・テレスコープに、よもや歴代の星読みと同じ結末を辿るのは推奨されない。
ただ、ケセミアの出した一時的結論はそれでも、今までの星読みに比べればいくらか外へ向けて発信しようとしている前向きなものなので、これはこれで良いと機械達は可決することになった。
急ピッチで製作が進められ、試験投入段階まで一週間ほど時間をおいて、いよいよ投入し始めたころ。
「星読みの魔王サマ、報告があるよ」
「星読みの魔王サマ、大変な話だよ」
黄昏時、太陽の沈みも早くなり、準備を急がねばならない時分。
星を観測しに行こうと屋上へ上がり、望遠鏡の調整をするケセミアに届いたのはマイペースな――幾分焦りの色を見せつつもある――ヤバルとユバルの声だった。
「はい、伺いましょう」
「現在、カルマ勇者が猛スピードで魔王サマの元に近づかれています」
「はい……はい?」
――この魔王城に向かうには、星読みの城のある山岳地帯を抜け、地下に設けられたダンジョンを潜り、多数の無人機が蔓延る城内を突破しなければならない。
今のところの配置はサキュバス、ウィザード、ハーピィが主軸となっているので戦闘行動は極度に苦手だが、対カルマ勇者に長けた精神干渉に長けた登用をしていると自負があった。
「でしたら他の、もっと実践的なタイプの投入を」
「いや、そうではなくてだね」
「ああ、そうではなくてだね」
そう、双子の機械は平行にピタリと指を指す。
「山岳も地下も城も、全部無視してこちらに来ているんだ」
「言っただろう、魔王サマの元に近づかれていると」
古今東西、あらゆる種族は同族の中でも固定された人種を至上とする動きがあった。
しかしその価値観は既に歴史の中に埋もれ、人間の中では機能しないものになった。
――ただ、カルマ勇者だけはどうあっても魔王を滅そうとしている。
赤子が大人へ成長するように、極々当たり前の理論として。古びた機能として歴史に葬られず伝えられてきた。程度の差はあれ、カルマ勇者と魔王は敵対するシステムとなっているのがこの世界だ。
そういった概念があるのなら、地道に地を歩き、ダンジョンを渡り、数多の強敵を下した後に戦うのが魔王と勇者にとっての必定だろう。
このシステムの配下にいるならマップを無視して飛んできて、あまつさえ報告《アポ》なしで魔王と対峙するのは不可解である。
命令を出さないといけない。振り返り、ヤバルとユバルに防衛指示を出そうとして、彼らが同時に外壁に吹き飛ばされる光景を見た。
「……はい?」
数秒間掛けてやっと絞り出したのは、さっきの兄弟たちに対する返答だったもの。
彼らがいた場所から先は瓦礫となり、これまで傷一つ付かなかった白亜の路を抉れた道筋が月光に輝いている。
「当機はカルマ勇者『熔けぬ焔』コードナンバー1301」
先ほど見ていた光景――ケセミアの真後ろから声がかかる。瓦礫の道を作り出した主をやっと視認できた時、ケセミアの瞳は潤み始めていた。額から汗が流れ、『恐怖』を獲得するに至る。
暁の輝きは消え失せ、膨大な星々を背にカルマ勇者と名乗るそれが、名乗りを上げる。無機質で女性的な顔立ち。青白い銀の髪と金色に輝く瞳はどこか作り物に思える。令嬢を思わせる衣服の腰元からはプラグ状の尾が伸びていて、所々機械部品が露出して見える。
その姿に、畏怖と共に安心感を抱いてしまう自分に困惑した。
――星読みの魔王が持ちうる知識を保存し、幾たびのリスタートを乗り越えたとして、他者がそれを乗り越えられなかったという結論には至らない。
アレは間違い無く歴史の塵を乗り越えることを繰り返したモノであり、この勇者は機械だと判断する。
「貴機は星読みの魔王と推測する。いざ、手合わせ願おう」
「……せめて玄関から入ってやり直して」
勇者と名乗る蛮行者に向けたのは、涙目ながら逃げず啖呵を切ろうとした震え声である。
『やり直し』を命じられた勇者(ごうとう)は追撃する間もなく、防衛機構によって発動した転送装置によって姿を消した。
「……まおうって、たいへんですね」
そう、涙声で思うケセミアだった。
NEWS
暗い闇の中、声が聞こえる――乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「おはよろし! 今日も一日がんばるぞーふぃー♪┗(・␣・)━♪」 |
乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「……えっ、それ続けるの?って思ったでしょ!でしょ~。でも、わたしは続けるんだ。頑張るからね」 |
乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「そうそう、『アンデライト』へのポータルが開いたよ。ここからアンデライトの臣民たちに物資を送るんだ」 |
乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「では、突入!」 |
切り裂く紙片の魔王『ミモルド』 「臣民は徳でもカルマでもなく、全ての商品を同じ属性扱いで好んで買う」 |
切り裂く紙片の魔王『ミモルド』 「つまりは、モブ臣民というわけだ」 |
徒花に灰を落とす魔王『セワ』 「グハハハハハー! 特訓だぜー!」 |
徒花に灰を落とす魔王『セワ』 「見てろよ、最高の売り上げを記録するぜ! グハハハハハー!」 |
メルサリア 「どうも~メルサリアっす! 話は聞いていると思うっす!」 |
メルサリア 「『アンデライト』救国作戦を開始するっす! ポータルに飛び込んでのち2週後に接触っす!」 |
メルサリア 「それと、さすがに禁忌選定委員会も気付いてきてるっす! 慎重にいくっす!」 |
メルサリア 「まもなく幹部からメッセージが届くっす! 聞き流していいっす」 |
メルサリア 「禁忌選定委員会のマシン・ユニット軍団を点検に出すっす! これで委員会は私たちの動きを察知できないっす!」 |
レヒルからの映像メッセージ 「(眼鏡クイッ)君たちか(眼鏡クイッ)いまだあがいているゴミのような魔王とやらは(眼鏡クイッ)僕の手を煩わせないでほしいんだよ(眼鏡クイッ)」 |
レヒルからの映像メッセージ 「言っておくが(眼鏡クイッ)君たちのような時代遅れのために(眼鏡クイッ)我々『カガクシャ』の(眼鏡クイッ)大切な研究時間が削られている(眼鏡クイッ)ということを肝に銘じてくれたまえ(眼鏡クイッ)」 |
レヒルからの映像メッセージ 「さて(眼鏡クイッ)メルサリアの奴が(眼鏡クイッ)点検を怠ったため(眼鏡クイッ)我が委員会の(眼鏡クイッ)マシン・ユニットが一斉点検だ(眼鏡クイッ)」 |
レヒルからの映像メッセージ 「ゴミのような君たちにも(眼鏡クイッ)分かりやすく言うと(眼鏡クイッ)面倒ごとを(眼鏡クイッ)起こしてくれるなよ(眼鏡クイッ)ということだ(眼鏡クイッ)」 |
◆訓練
機転の訓練をしました機転が20上昇した
機転の訓練をしました経験値が足りない
機転の訓練をしました経験値が足りない
機転の訓練をしました経験値が足りない
◆破棄
ケセミアはゴム長靴22を破棄した!!
ケセミアはゴム長靴23を破棄した!!
ケセミアは四畳半の氷室を破棄した!!
ケセミアはあなたの書籍を破棄した!!
ケセミアはあなたのビーストを破棄した!!
◆送金
◆購入
ケセミアはこいびとへの矢文を5個納入した!!(240money)
ケセミアはこいびとへの矢文を5個納入した!!(240money)
ケセミアはクマチャンのお部屋を5個納入した!!(200money)
◆作製
作成時補助発動! 耐電!! 防御属性が 電撃 に変化!!
電撃強化!
壮大強化!
ゴム長靴23と墜落の暁を素材にしてクリュサリオスを作製した!!
◆レガリア決定
暁新世界 に決定!!
◆アセンブル
スロット1にクマチャンのお部屋を装備した
スロット2に四畳半の電気床を装備した
スロット3にネオ・エレクトロフローを装備した
スロット4にご休憩施設を装備した
スロット5にクリュサリオスを装備した
スロット6にご休憩施設を装備した
スロット7にこいびとへの矢文を装備した
スロット8にこいびとへの矢文を装備した
スロット9にあなたのウィザードを装備した
スロット10に墜落の暁を装備した
スロット11にこいびとへの矢文を装備した
スロット12にひかるきつねを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆姉妹提携
◆意思表示設定
意志設定……通常営業
◆ミッション
ミッション設定……ミッションC
ユニオン活動
ヤシャ・ヤーの観測城の活動記録
白亜の観測場『ヤシャ・ヤー』の展望台
機転の訓練をしました
機転が1上昇した
機転の訓練をしました機転が1上昇した
機転の訓練をしました機転が1上昇した
機転の訓練をしました機転が1上昇した
機転の訓練をしました機転が1上昇した
メッセージ
ENo.46からのメッセージ>>
来訪者を暫しほけっと眺めていた。数度の瞬きの後に、ようやく挨拶に応える。
ENo.58からのメッセージ>>
ひとつ、シャッター付のランタンを取り出して、それを点してみせる。
ねじを回してシャッターを閉じると、その仄明るい程度の光は見えなくなった。
ENo.163からのメッセージ>>
自分たちが管理している領域にやってきたお客様。
あなたの姿を見た瞬間、プラチナ色の髪と瞳をした少女は――以前、あなたが作った電気床を購入した魔王は、驚いたように目を見開いた。
何やら慌てたりしていたが、大きく息を吸って、吐いて、深呼吸をしてから。
あたふたしたような口調と様子のまま。
ぽつり、ぽつりと言葉を紡いでいたが、そこで一度言葉を切ると、
……最後の最後で思いっきり噛んだ。
本人もそれに気付いたらしく、「最後で噛んだ……」と両手で顔を覆い、蚊の鳴くような声で呟いている……。
お花屋さん 「魔王……」 |
お花屋さん 「こういう時は……“いらっしゃいませ”……?」 |
お花屋さん 「うん。ボクも魔王で……花を売ろうと思って、最近、花の勉強を始めたんだ」 |
お花屋さん 「……だから、ボクは星空の花屋。よろしく……」 |
お花屋さん 「……キミは、この城がきれいだと思ったんだね。」 |
お花屋さん 「……なるほど。この城を思いついた人は、きれいなところが好きだったのかも」 |
『灯り屋』 「おやッ!! これはこれはッ!! 灯りに釣られただなんて、随分と大きな羽虫がいらっしゃいましたねッ!!」 |
『灯り屋』 「ええ、もっと触れるほどに近くで見て頂いて構いませんよ。 火傷はしませんからね。火を使わない安心設計でございます。」 |
『灯り屋』 「星の数には及びませんが、灯りもまた地上の星。 どうぞ、ごゆっくりお選びください。気にいるものが見つかりますよう。」 |
『灯り屋』 「まあ……、こちらは火を使っていないので、暖は取れないのですが……。 熱のある明かりがお好みでしたら、普通の照明も取り扱っております。」 |
『灯り屋』 「天体観測用でしたら、そうですねえ……。 私もそちらには詳しくはないので、ご希望に適うかどうか。」 |
ひとつ、シャッター付のランタンを取り出して、それを点してみせる。
ねじを回してシャッターを閉じると、その仄明るい程度の光は見えなくなった。
『灯り屋』 「星を見るのであれば、星こそが光。 こちらの灯りであれば、望遠鏡を覗く時だけは静かにできましょう。」 |
『灯り屋』 「とまあ、私から特別提示できるものはこんなところですね。 星がお好きなので? 天体観測に入用とは、灯り屋では珍しいお客様ですから……。」 |
シュニーフィカ 「ふえっ!?えっ、あのっ、えっ、えっと……!?」 |
あなたの姿を見た瞬間、プラチナ色の髪と瞳をした少女は――以前、あなたが作った電気床を購入した魔王は、驚いたように目を見開いた。
何やら慌てたりしていたが、大きく息を吸って、吐いて、深呼吸をしてから。
シュニーフィカ 「えっと、あのその、クレームとかは無くって……! むしろ、すごく良いもので、すごく助けてもらってるというか……!」 |
シュニーフィカ 「……私は、まだ電気床みたいなのは作ったことがないから……だから、余計に助かるというか……すごく、助けてもらってます」 |
シュニーフィカ 「だから、その……ううう、駄目だ……何が言いたいのか、わかんなくなってきた……」 |
あたふたしたような口調と様子のまま。
ぽつり、ぽつりと言葉を紡いでいたが、そこで一度言葉を切ると、
シュニーフィカ 「ええと、だから、その……こ、こちらこそ、な、仲良くなれたら嬉しいでしゅっ!?」 |
……最後の最後で思いっきり噛んだ。
本人もそれに気付いたらしく、「最後で噛んだ……」と両手で顔を覆い、蚊の鳴くような声で呟いている……。
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
清算
明日の戦場
第13ブロック
来週の降水確率:11%
来週の風の向き:48%
“彷徨える巨像の迷宮” |
暁する羨望の魔王『フィオナヴァール』 |
惑乱する月齢の魔王『アルリアクルリア』 |
牧羊神ヴァロン・アベル・シュタイナル |
暗がりの魔王 |
借金王 |
《老猫》 |
《不殺の魔王》と《神殺し》 |
フローリカ |
魔王トト |
ケセミア・テレスコープ |
硝子城の楽園 |
--- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
ガルの受けた重圧『最終試験前夜』[徳聖魔] |
ガルの受けた重圧『最終試験前夜』[徳聖魔] |
ガルの受けた重圧『最終試験前夜』[徳聖魔] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
奇跡探求団の最後の一行[カルマ冷気] |
奇跡探求団の最後の一行[カルマ冷気] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
ガルの受けた重圧『最終試験前夜』[徳聖魔] |
ガルの受けた重圧『最終試験前夜』[徳聖魔] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
キャラデータ
名前
ケセミア・テレスコープ
愛称
ケセミア
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【ケセミア・テレスコープ】 《Qesemia Telescope》 男性/13歳/144cm ――星を宿した瞳が特徴の若き魔王。 ――《星読みの魔王》の所有物だった巨大望遠鏡。 ――星に恋をした元観測装置。 かつて《星読み》と呼ばれる一族と魔王が運営する城があった。 白亜に輝く展望台を模したその城は、一族と魔王の血族が寿命によって息絶えた事で一度途絶した。 かつての魔王の業務を担うべく、彼らの従者が作り上げたホムンクルスこそがケセミア・テレスコープである。 人の形を得た魔王は星読みの魔王を代行するべく、人を学習して王を担う使命を持つ。 此度はお金に縛られた世界で高級資材を大量投入し、星を観測する。 魔王の使命はカルマ勇者の撃退に非ず。唯、星(かみさま)を眺めることにあり。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5 __6__7__8__9_10_11 _12_13_14_15_16_17 _18_19_20_21_22_23 |
お城データ |
|
|
ID | 種別 | 名前 | 在庫 | 詳細 |
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1 | 徳火炎護衛:サキュバス | こいびとへの矢文 [22/好感/好感]《装備:7》 攻撃値[75] 連撃値[6] 壮大値[659] 価格[48] 警戒値[28] 連続値[56] 防御属性[物理] 防御値[56] 熱意値[37] 好感値[135] 予見値[18] 在庫[5] 追加効果[幻影] 資産投入[30] [徳火炎護衛] *作者* | 5 | ▼詳細 |
2 | 電撃建築:電気床 | 四畳半の電気床 [20/---/---]《装備:2》 壮大値[702] 価格[35] 警戒値[59] 連続値[128] 防御属性[電撃] 防御値[87] 熱意値[128] 好感値[76] 予見値[17] 在庫[11] 追加効果[貫通付与] [電撃建築] *作者* | 11 | ▼詳細 |
3 | 徳火炎護衛:サキュバス | こいびとへの矢文 [22/好感/好感]《装備:8》 攻撃値[75] 連撃値[6] 壮大値[659] 価格[48] 警戒値[28] 連続値[56] 防御属性[物理] 防御値[56] 熱意値[37] 好感値[135] 予見値[18] 在庫[5] 追加効果[幻影] 資産投入[30] [徳火炎護衛] *作者* | 5 | ▼詳細 |
4 | カルマ聖魔建築:秘密の部屋 | クマチャンのお部屋 [22/好感/好感]《装備:1》 壮大値[-463] 価格[40] 警戒値[153] 連続値[90] 防御属性[聖魔] 防御値[94] 熱意値[54] 好感値[116] 予見値[157] 在庫[5] 資産投入[10] [カルマ聖魔建築] *作者* | 5 | ▼詳細 |
5 | 聖魔護衛:ハーピィ | あなたのハーピィ [20/---/---] 攻撃値[61] 連撃値[5] 壮大値[175] 価格[22] 警戒値[42] 連続値[42] 防御属性[物理] 防御値[26] 熱意値[34] 好感値[34] 予見値[34] 在庫[11] 追加効果[加速] [聖魔護衛] *作者* | 11 | ▼詳細 |
6 | 火炎護衛:ウィザード | あなたのウィザード [20/---/---]《装備:9》 攻撃値[52] 連撃値[8] 壮大値[219] 価格[27] 警戒値[25] 連続値[51] 防御属性[聖魔] 防御値[43] 熱意値[85] 好感値[51] 予見値[51] 在庫[11] 追加効果[加速] [火炎護衛] *作者* | 11 | ▼詳細 |
7 | 徳電撃建築:電気床 | エレクトフロー [20/警戒/---] 壮大値[702] 価格[35] 警戒値[79] 連続値[128] 防御属性[電撃] 防御値[87] 熱意値[128] 好感値[76] 予見値[17] 在庫[11] 追加効果[貫通付与] [徳電撃建築] *作者* | 11 | ▼詳細 |
8 | 徳電撃建築:電気床 | ネオ・エレクトロフロー [20/好感/好感]《装備:3》 壮大値[718] 価格[40] 警戒値[62] 連続値[132] 防御属性[電撃] 防御値[90] 熱意値[132] 好感値[118] 予見値[17] 在庫[3] 追加効果[貫通付与] 資産投入[10] [徳電撃建築] *作者* | 3 | ▼詳細 |
9 | 徳聖魔護衛:ハーピィ | 墜落の暁 [21/減壮/減壮]《装備:10》 攻撃値[62] 連撃値[5] 壮大値[74] 価格[22] 警戒値[44] 連続値[44] 防御属性[物理] 防御値[26] 熱意値[35] 好感値[34] 予見値[34] 在庫[4] 追加効果[加速] [徳聖魔護衛] *作者* | 4 | ▼詳細 |
10 | カルマ聖魔建築:秘密の部屋 | ご休憩施設 [21/好感/連続]《装備:4》 壮大値[-478] 価格[86] 警戒値[161] 連続値[115] 防御属性[聖魔] 防御値[95] 熱意値[56] 好感値[95] 予見値[158] 在庫[3] 資産投入[100] [カルマ聖魔建築] *作者* | 3 | ▼詳細 |
11 | 徳電撃建築:電気床 | クリュサリオス [23/耐電/減壮]《装備:5》 壮大値[680] 価格[35] 警戒値[64] 連続値[138] 防御属性[電撃] 防御値[117] 熱意値[138] 好感値[80] 予見値[17] 在庫[3] 追加効果[貫通付与] [徳電撃建築] *作者* | 3 | ▼詳細 |
12 | 素材:素材 | 毛玉24 [24/減猫/---] 価格[10] [素材] | ▼詳細 | |
13 | 素材:素材 | お守り24 [24/耐魔/---] 価格[10] [素材] | ▼詳細 | |
14 | 徳電撃商品:電器 | ぷらずまぼーる [22/高級/警戒] | 6 | ▼詳細 |
15 | カルマ聖魔建築:秘密の部屋 | ご休憩施設 [21/好感/連続]《装備:6》 壮大値[-478] 価格[86] 警戒値[161] 連続値[115] 防御属性[聖魔] 防御値[95] 熱意値[56] 好感値[95] 予見値[158] 在庫[3] 資産投入[100] [カルマ聖魔建築] *作者* | 3 | ▼詳細 |
16 | 徳火炎護衛:サキュバス | こいびとへの矢文 [22/好感/好感]《装備:11》 攻撃値[75] 連撃値[6] 壮大値[659] 価格[48] 警戒値[28] 連続値[56] 防御属性[物理] 防御値[56] 熱意値[37] 好感値[135] 予見値[18] 在庫[8] 追加効果[幻影] 資産投入[30] [徳火炎護衛] *作者* | 8 | ▼詳細 |
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19 | 素材:素材 | ダイヤの指輪23 [23/高級/---] 価格[10] [素材] | 0 | ▼詳細 |
20 | 徳電撃商品:電器 | トワイライトトースター [21/熱意/熱意] 壮大値[194] 価格[28] 警戒値[27] 連続値[55] 防御属性[物理] 防御値[28] 熱意値[97] 好感値[27] 予見値[9] 在庫[6] 資産投入[100] [徳電撃商品] *作者* | 6 | ▼詳細 |
21 | カルマ電撃商品:照明 | ひかるきつね [20/耐冷/連続]《装備:12》 | 5 | ▼詳細 |
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