ENo.0040　文字盤に絡む触手

『紅蓮』っていう名前がついたのは、彼が燃えるような赤髪をしていたからだと思う。
それってほぼ名前などないってことなんじゃないかなと思ったけど、紅蓮……否グレンはそう思っていないようだった。


グレンは強盗だった。
強盗するくらいには腕が立つ。
手榴弾だのバズーカだのをボンボン決めてる時が一番生き生きしてる気がする。
『きれい』よりは『カッコいい』。
もともと背は高かったけど、ご飯をしっかり食べるようになってから体格もよくなった。
物を奪うくらい困窮していなければ、きちんとした所でしっかり働ける人だと思う。

あちこちで歯車ががっちゃんがっちゃんしてる私たちの城に
どんな価値を見出したのかはよくわからないんだけど、
たぶん外がすごく寒かったから魔が差したんじゃないかな。
うちの城、スチームのせいであったかいんだよね。

彼はあろうことか、＂灯＂に手を出してきた。
綺麗な灯りはやっぱり人を惹きつけるんだね。
商品へ手を伸ばした彼の瞳には、不思議な光がちらちらひらりと映っていた。
今じゃあ信じられないくらい、彼は＂灯＂に見惚れていた。

彼はすったもんだを起こしたか起こさないかの間に店員達に取り押さえられたので
もうその表情を見ることはできなくなったんだけれども…
店員にメタメタにされたグレンはそれでも元気だったので
大人しくなるまでにゅるにゅるさせてもらった。
最初はゴミを見るような目でグレンを睨んでたシルヴァくんが
時間が経つにつれ青ざめて制止してきたので許した。

かくしてグレンは一命をとりとめ、いまでは三食寝床付きで働いてもらってる。
『紅蓮』はいろんなところでいろんなことをしたせいで賞金がかけられていたんだけれど、
私は気に入ったものを手元に置いておきたい性分なので、突き出すのはやめておいた。
『店員』は賞金を欲しがったけど、人にもお金にも興味がないシルヴァくんは何も言ってこない。
今は誰ともwanted関連の話はしてないな。

あれからグレンとはいろんな話をしたけど、たぶんもう盗みは働かないなと思っている。
まじめな人なんだ。
ひとまず賞金分の売り上げは稼いでいただこう。


彼があの日と同じくらい心奪われるものを手に入れたいものだ。
時々いっしょに市場を覗きにいくんだけど、彼の赤い目はいつも値段と質以外の何かを見定めている。
かつて奪ったり盗んでしまったものにも、同じような輝きを見出していたんだろうか。
宝や命に宿る輝きを自分のものにしたくなる気持ちはわかるんだよね。
次見つけたら、正しい方法で手に入れよう。

(店主)

×××

どういうことだ、奴の悪趣味な店で売り上げが出るなんて
従業員はイイ奴ばっかだし品物も良いものが揃ってる
だが店主に人徳はないし日頃の行いからいっても赤字が妥当だ
何が起きてやがる

(店員)

たぶんプレステの3か4のゲームだろう。
スチパン半分ファンタジー半分の世界観のRPGだ。
定価4000円くらいでセロは……あんまり高くない
きっと背景と世界観がとっても素敵なんだろう。
ちなみに内容は王道RPGらしいので熱意が上がりやすいらしいね

このゲームに出てみたかったら参加してみたらどうだろう。
きっと君のダンジョンもゲーム内に登場するぞ！！


発売日？ 未定ッッ！！