ENo.0092　エン・レイ

【６ページ目：魔王さんを助けにいきます。】

　なんだか大変な事になりました。
　他の魔王さんを助けにいかないといけないそうです。
　魔王さんの民は、物資が足りていないので、皆でお店の商品を持てるだけ持ってゆくそうです。
　カフェ『アルテア』も参加しなくてはなりません。
　私に出来るのは、コーヒーを淹れる事と軽食を作る事、あとはお土産を用意する事くらい。
　昔の私なら、言の葉の力『アルテア』を使って、疲労を取り除く事も冷えた身体を温める事も出来たのですが、それがかなわない今は、苦しんでいる人々の心を、少しでも救う事が出来たらいいなと思います。
　もう出発です。今日の日記はここまでにします。

「……それにしても」
「何だよ」
「インシオンはやけに楽しそうですね」
「救出作戦だろ？　やっと俺の出番じゃねえか」
「しません」
「あ？」
「私達がやるのは、魔王さんの民に物資を届ける事です。切った張ったはしませんよ」
「チッ」
「『チッ』とか言わないでください」
「わかったよ。俺は前に出ねえ」
「だが、お前が危なくなったら、すぐに剣を抜くからな。それだけは覚えておけよ」
「……はい」
「そうならないように努めます」

『資料室』と書かれたドア看板の下に、『飲食厳禁　飲食はフードコートで』とか、『資料の外部持ち出し厳禁（館内は許可）』とか、そんなことが書いてある。
ここは水族館の資料室だ。あなたはここで様々な海の生き物の生態が書かれた本や、あるいは水族館職員のつけた記録を読むことが出来る。
――そして、この水族館には存在しないはずの、『人魚』という存在について、非常によく知ることが出来るだろう。

*知識全振りユニオン*
*ユニオン購入は独断脳死予定*
*細かいことは以下のURL*

http://midnight.raindrop.jp/trieste/union.html