ENo.0022　龍魔王と蛇参謀と蝙蝠ちゃん

ピピ「はいっ！　今回はワタシが作った商品ですねっ！」
ヴェンデッタ「散々引っ張っておいてつまらぬモノじゃったらブン殴るからの？」
ピピ「御二方が前々回と前回に商品を作ったからじゃないですかっ！　ワタシに非は無いですぅー！」
サーキナル「ごめんね……」
ピピ「ま、まあ、魔王様は先週も謝ってくださいましたし！　理由も理由でしたからっ！　仕方ないですよっ！」
ヴェンデッタ「おい」
ヴェンデッタ「……まあ、よいわ。それで一体何を作ったのか早よ教えろ」
ピピ「ワタシが作った商品……それは、写真集ですっ！　ほらっ！　見てくださいよっ！」
サーキナル「写真集？」
ヴェンデッタ「……というかコレ、ウチの防衛隊長ではないか」
サーキナル「あ、本当だ。トレーニング中のピスィカだ……って、何かアングルが怪しいんだけど！？」
ピピ「盗撮ですからっ！」
ヴェンデッタ「少しは後ろめたさ的なモノを見せろ」
サーキナル「コレは流石に彼女に申し訳ないよ……」
ヴェンデッタ「良いではないか、異世界じゃし。此方は別に止めはせんぞ」
サーキナル「ヴェンデ！？」
ピピ「というかもうマーケットに出品して来ましたからねっ！」
ヴェンデッタ「まあ彼奴は貧相な胸をしておるが顔は悪くないからのう。こうなったら使えるものは何でも使ってしまえ」
サーキナル「ごめんピスィカ……」
ピピ「ふふーんっ！　実はこの写真集に使われている画像データ、魔界で密かに売るつもりだったんですが、本人にバレたらさっくり殺されそうだったので持て余していたんですよーっ！　いやー、有効活用出来て良かったですーっ！」
ヴェンデッタ「この盗撮小娘はロクな死に方せんじゃろうな……」
サーキナル「……まあ、この件についてはもう少し考えておくとして、アンデライトでの営業について話し合おうか」
ヴェンデッタ「別に此方的にはどうでもよいかなって……」
ピピ「商品を気持ち多めに仕入れて大量に捌けばいいんじゃないですかねー？　知りませんけどっ！」
サーキナル「……」
サーキナル「まあ、うん、そうだね。いつものように、難しく考えずに商品を売っていこうか！」

　龍魔王は思った。
『ユニオンというモノがあるらしい。参加したいがウチの部下の性格上波風立たないユニオン活動というのは不可能なのではないか？』
　龍魔王は決めた。
『じゃあ自分でユニオン作っとこ』
　城の四分の一のスペースをユニオン用のソレへと変換。
　浮遊要塞となって魔王城の上をフワフワと浮いている。

　魔王と部下二人は今日も知識を求めて其処彼処から掻き集めた書物を読み漁る。
　要塞の中に眠る知識に興味があるのならば声をかけてみるのもいいかもしれない。
　運が悪いとクソゲーの攻略本等を見せられるやもしれないが。