ENo.0071　濁った瞳のエレクシア

姉妹提携してくれる魔王が居た。

なんというか、珍しい事もあるものだ。

こんなサキュバス崩れしかいないような店と姉妹だなんて。

それでも、まあ、友達ができたみたいで少しうれしくはある。

ふふっ、何を言っているんだろうねボクは。

柄にもない事を言ってしまったみたいだ。


それにしても、ボクのお店にこんな沢山勇者が来てくれるなんて、まったく世も末な話じゃないか。
みんなもう少し笑顔を疑ってみてはどうかなと思うよ。
まあ、一夜の夢を見せて商売をしているボクが言えるセリフじゃないけれど。

これを見ているのはボクか、同業者しかいないだろうしこれくらいの毒は許されるだろう。

勇者達も、なんだか無理やり羽目を外しているような気がするんだ、世界が終わるから、じゃあ何をしてもいい、そういうわけでもなかろうに。

何をしてもいいってなると、うちの護衛達が張り切っちゃって困るってのもあるんだけれどね……。

さて、そろそろ開店の準備だ。
夜にしか開かないお店があってもいいだろう？それが迷宮だもの。

今日も伽羅の香を炊いて、明かりは薄暗く、空気は甘く、一夜の夢をみるならようこそ。
ここはあなたの欲望を売り買いするお店です。

美しさとお金が等価だなんて、皮肉な話だ。