第2週目 杠葉&木賊の一週間
◆日記
ずきずきと繰り返される頭の痛みで目が覚めた。右腕を動かす。右目を開く。大丈夫、問題はない。多少は痛いが、いつかの痛みに比べるべくもない。
「杠葉」
耳に届いたのは馴染んだ声。巡らせた視線の先にはよくよく見知った顔で。見慣れない色の空に、見慣れた友人の姿。アンバランスなそれはどこか不思議にも思えた。
「……木賊」
「おう。痛いことねぇか?」
「強いて言うなら頭だね……そっちは?」
見える範囲で傷らしきものはない。大丈夫だと判断したのか、荷物のように軽々と抱えられる。風が頬を撫でるけれど、鼻先をかすめる匂いはずいぶんと違っているように感じた。
歩けないおれに、できることは数少ない。周囲を見回せば迷いない足取りが転がっているおれの椅子に向かっていた。
「オレもへーき。けど」
転がっていた椅子が起こされ、起動スイッチが入れられる。静かに動作を始めたところを見ればどうやら壊れてはいないらしい。不幸中の幸いだ。これがなければおれなどただの肉の塊にも等しい。
手慣れた仕草で椅子に座らされる。慣れた感触に安堵の溜息。ちょうど残されている右腕の辺りに設置されたコンソールに指を滑らせ、ふむ、とひとりごちた。
――NoSIGNAL
「知らねぇ匂いだらけだ。“ココ”、何だ?」
仲間たちの情報を探ろうと繰り返したところで、コンソールから帰ってくるアラートに変化はない。唯一、隣にいる木賊にのみ反応を示しているところを見れば、故障ではないようだ。――それに。
「やっぱり、違う?」
「あの島の匂いじゃねぇ。知らねぇ匂い」
木賊が言うのであるならば、間違いではおそらくない。だって、木賊は“そういう存在”なのだから。
「他の奴らは?」
「連絡はつかないよ。おれたちだけ、という可能性が高そうだ」
マジか、と呻いた木賊が頭を抱える。気持ちはよくわかるし、おれももし左手があったのならば頭を抱えていただろう。物理的にできないので、できるのは額に手を押し当てることだけなのだけれど。
知らない場所に、知っている仲間と二人きり。救いと言えば、おれと木賊の役割分担ができそうなところだろうか。……おれと槐とか、おれと紫蘭とか、おれと薊とか。考えただけで頭痛が悪化しそうだ。こういうのは荒事に向いている人物との方がやりやすい。強いて言うなら木賊よりも篁や樒がよかったのだけど、などというないものねだりは心にしまっておこう。
「……とりあえず、情報収集から始めよう」
「りょーかい」
おれの提案に木賊は素直に頷く。歩き出す彼に合わせ、自分もゆっくりと椅子を動かした。
「情報を整理しよう」
根城と決めた、とある打ち捨てられたらしい城の中。打ち捨てられたにしてはずいぶんと小奇麗なそこで、木賊と顔を突き合わせて作戦会議。不思議に思えるほどに平和そのもので、むしろだからこそ不思議だった。
「勇者と魔王なぁ」
「戦ではなく金銭のやり取りだってね」
おれたちの世界にも商売自体は存在している。当たり前の話だ。
だが、その“当たり前”が、この世界では“戦争”に値するという。解釈がある意味誇張しているような気もするけれど。イメージがわかないし、正直眉唾と言えばその通りで。けれども、“それ”が正しいのだろうという実感は何故かあった。
「そのさぁ」
「うん」
「最後に来る奴をもてなせたら、帰れんのかな」
ぽつり、木賊の声が不安げに揺れた。おれたちの本国を震撼させた大量殺人鬼も、得体のしれない世界は怖いのだろうか。……まあ、おれも帰れなければ困るのだけれど。
「それを信じてみるしかないね」
その間に、……見つけてもらえれば。また、話は違ってくるのだろう。幸い、おれたちの基地には優秀な科学者がいる。おれたちがいないとなり、さらに信じられないことに世界が違うとなれば、おそらくは何らかの打開策を見つけれてくれるだろう。……たぶん。
おれの椅子のコンソールが木賊に反応を示すなら、つまりおれたちの技術は通じるということだ。……“魔法”にも精通している彼のこと、どうにか、……どうにかできるといいのだけれど。
「じゃ、城はここでいいな。杠葉、魔王やれよ」
「おれに押し付けるのはよくない。二人でいいんじゃない。二人でやろう」
「いーよー」
話は決まったとばかりに立ち上がる。無駄にポジティブな木賊に少しだけ救われた気がした。常から変わることのないふらりとした足取りでおれに背を向けてあら、彼は思い出したように振り返ってにまりと笑った。一般的な人間よりもギザギザとした歯が覗く。
「オレらが魔王って、変な感じだよな。似合いのいるじゃん?」
「……あぁ」
木賊が言わんとするところはすぐわかる。まず間違いく彼が想像する我らが総督を思い返して苦い笑みがもれた。
確かに、威圧的な眼差しと不敵な態度、ついでに言うなら若干……の戦争狂な部分は魔王と呼ばれるに非常に相応しかっただろう。彼が望む血沸き肉躍るようなものではないのだけれど。
……ただ、まあ。
「樒の精神が死ぬね」
「そりゃそうだ!」
正しく他人事の為か、けらけらと木賊は笑う。心の中で、今この場にいない総督の右腕に向けて手を合わせた。片腕ないけれど。
「じゃ、オレ何か材料見繕ってくるわ。あと頼んだ」
「了解、気を付けて」
隠密よろしくふらりと姿を消した木賊を見送って、一度だけ通信回線を開く。無常に表示されるNoSIGNALの文字に隠しきれない今日何度目かの溜息がおちた。
……この通信が繋がれば。あるいは。
「……とにかく、やってみるしかないね」
Chapter01.【例えば、彼らの事情など】
NEWS
乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「このメッセージは魔王たち全員に送っているんだ。なぜかというと、孤独にしないためだよ」 |
乾いた静物の魔王『ネハジャ』 「わたしたち魔王は、互いに助け合い……監視しなくちゃならない」 |
切り裂く紙片の魔王『ミモルド』 「禁忌選定委員会と私たちは協力関係にある。彼らから、起こりうる悲劇を聞いた」 |
切り裂く紙片の魔王『ミモルド』 「それは、私たち魔王の中から一人……世界を破滅に導く存在が出る、ということ」 |
徒花に灰を落とす魔王『セワ』 「グハハハハハー! 心配するな! 別に元から世界は滅ぶんだ! それを、俺たちが変える!」 |
徒花に灰を落とす魔王『セワ』 「15週後のおもてなしさえやり過ごせば、世界の破滅なんて避けられる話だってこと!」 |
メルサリア 「どうも~メルサリアっす! 話は聞いていると思うっす!」 |
メルサリア 「世界は滅ぶっす! それを避けるのが魔王っす! でも、魔王の中の一人が、救えたはずの世界を滅ぼすっす!」 |
メルサリア 「世界が滅ぶというのに、勇者たちは浪費と強奪っす! 役に立たない奴らっす! 生まれた意味を忘れてるっす!」 |
メルサリア 「だから今という時は、魔王が世界を救う時代っす! 価値観なんて変わるものっす!」 |
メルサリア 「今日は皆のサポートの一環として、経験値をひとつ付与するっす! これもカガクの力っす!」 |
◆訓練
機転*3の訓練をしました機転*3が10上昇した
機転*3の訓練をしました機転*3が11上昇した
機転*3の訓練をしました機転*3が12上昇した
機転*3の訓練をしました機転*3が13上昇した
機転*3の訓練をしました機転*3が14上昇した
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
機転*3の訓練をしました経験値が足りない
◆破棄
◆送金
◆購入
ゆずりは&とくさは暗黒の間を1個納入した!!(35money)
ゆずりは&とくさは主のいない五つの尖塔を1個納入した!!(35money)
ゆずりは&とくさは虚無電気床-連続を1個納入した!!(35money)
◆作製
作成時補助発動! 耐火!! 防御属性が 火炎 に変化!!
火炎強化!
作成時補助発動! 耐冷!! 防御属性が 冷気 に変化!!
冷気強化!
消火器20と白いコート20を素材にしてA-Bを作製した!!
◆レガリア決定
幻影跳梁 に決定!!
◆アセンブル
スロット1に暗黒の間を装備した
スロット2に主のいない五つの尖塔を装備した
スロット3にA-Bを装備した
スロット4にA-Aを装備した
スロット5に虚無電気床-連続を装備した
スロット6に四畳半の迷宮を装備した
スロット7にあなたのスライムを装備した
スロット8にあなたの家具を装備した
スロット9にあなたの納涼を装備した
スロット10にあなたの電器を装備した
スロット11にすごいソーダを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆姉妹提携
◆意思表示設定
意志設定……通常営業
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ユニオン活動
ランダムの訓練をしました
経験値が1上昇した
ランダムの訓練をしました経験値が1上昇した
ランダムの訓練をしました経験値が1上昇した
ランダムの訓練をしました経験値が1上昇した
ランダムの訓練をしました経験値が1上昇した
メッセージ
ENo.245からのメッセージ>>
(やたら元気のいい少女がやってきた。相手の容貌に驚いたりしている様子は微塵もない)
ローズ 「あっどーもー、今日近くで商売するトゥインクルカルテット城のローズってもんっす、一日よろしくな!」 |
◆戦闘結果
戦闘結果は*こちら*
清算
モブ売り 65
勇者売上高 298
攻撃戦果補正7.8%
支援戦果補正9.23%
防衛戦果補正11.11%
販売数補正 0.1%
合計現金収入475
予算消費 -155
粗利益 320
ロス高 0
パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>268
【!】経験値が1点プレゼントされました
◆経験値が22増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
勇者売上高 298
攻撃戦果補正7.8%
支援戦果補正9.23%
防衛戦果補正11.11%
販売数補正 0.1%
合計現金収入475
予算消費 -155
粗利益 320
ロス高 0
パーツ販売数 1個
今回の購入者-->>268
【!】経験値が1点プレゼントされました
◆経験値が22増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
ゆずりは&とくさはお守り21を入手した!
ゆずりは&とくさは巨岩21を入手した!
ゆずりは&とくさはやる気ノート21を入手した!
◆魔王への貢物だ!!
ゆずりは&とくさは魔王城の土地の権利書(偽造品)を6個手に入れた!!
明日の戦場
第16ブロック
来週の降水確率:43%
来週の風の向き:45%
“本の虫”の澄芳 |
添泉豆子 |
“彷徨える巨像の迷宮” |
杠葉&木賊 |
ウオズミ博士と奇怪な下僕共 |
人魚のトリル/箱のチェス |
風森 砂季 |
常盤の魔女《エヴァ―・グリーン》 |
セラフィレア・ヘーリオス |
ミミカ・B・ユートリクラリア |
アルマ・レヴィルノ |
宣教師 |
人形師アンル・レ・ファーゼン |
ドラゴンフライ・スカイブルー |
エモリ・リユ[2065年] |
商悪魔マテ |
紅のイエル |
モナルカ リンドベルム |
Mahina = Shepherd |
ユリン |
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スーパーデプス・チャージャー『海の目』[カルマ物理] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
踏みつぶされた夢製ゴーレム『ヌル』[徳電撃] |
『アンデライト』の嫌われた猫[徳物理] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
スーパーデプス・チャージャー『海の目』[カルマ物理] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
凍えるほど熱い『ヘリエル』[カルマ火炎] |
『アンデライト』の嫌われた猫[徳物理] |
キャラデータ
名前
杠葉&木賊
愛称
ゆずりは&とくさ
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プロフィール
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とある世界から迷い込んだ二人組。 >杠葉 「やらなきゃ帰れないなら、仕方ないよね」 赤茶の髪に榛色の目をした青年。 右腕以外の四肢を失っており、顔はペストマスクのようなマスクで半分以上が隠れている。 性格は冷静沈着、と同時に穏やか。 二人の魔王の知識側。 >木賊 「オレよくわかんねぇから、杠葉に任せたわ」 白髪に黄緑色の目をした青年。 長い前髪で顔半分を隠しており、常に笑みを浮かべる口元からはぎざぎざとした歯が覗く。 楽観主義者で快楽主義者。殺せないことがちょっと不満。 二人の魔王の行動側。 メッセは受け身ですが歓迎しております。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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お城データ |
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ID | 種別 | 名前 | 在庫 | 詳細 |
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1 | 物理建築:迷宮 | 四畳半の迷宮 [20/---/---]《装備:6》 壮大値[1404] 価格[35] 警戒値[17] 連続値[128] 防御属性[物理] 防御値[87] 熱意値[68] 好感値[102] 予見値[59] 在庫[14] 追加効果[遅延付与] [物理建築] *作者* | 14 | ▼詳細 |
2 | 火炎建築:防壁 | 四畳半の防壁 [20/---/---] | 14 | ▼詳細 |
3 | 聖魔護衛:スライム | あなたのスライム [20/---/---]《装備:7》 攻撃値[43] 連撃値[4] 壮大値[351] 価格[21] 警戒値[34] 連続値[34] 防御属性[聖魔] 防御値[78] 熱意値[17] 好感値[34] 予見値[34] 在庫[14] 追加効果[貫通] [聖魔護衛] *作者* | 14 | ▼詳細 |
4 | 物理商品:家具 | あなたの家具 [20/---/---]《装備:8》 | 14 | ▼詳細 |
5 | 冷気商品:納涼 | あなたの納涼 [20/---/---]《装備:9》 | 9 | ▼詳細 |
6 | 電撃商品:電器 | あなたの電器 [20/---/---]《装備:10》 | 15 | ▼詳細 |
7 | 徳冷気建築:氷室 | A-A [20/壮大/---]《装備:4》 壮大値[1015] 価格[35] 警戒値[102] 連続値[94] 防御属性[冷気] 防御値[87] 熱意値[51] 好感値[51] 予見値[128] 在庫[14] 追加効果[氷結付与] [徳冷気建築] *作者* | 14 | ▼詳細 |
8 | 素材:素材 | やる気ノート20 [20/熱意/---] 価格[10] [素材] | 0 | ▼詳細 |
9 | 徳物理建築:迷宮 | A-B [20/耐火/耐冷]《装備:3》 壮大値[1404] 価格[35] 警戒値[17] 連続値[130] 防御属性[冷気] 防御値[127] 熱意値[69] 好感値[102] 予見値[59] 在庫[2] 追加効果[遅延付与] [徳物理建築] *作者* | 2 | ▼詳細 |
10 | 素材:素材 | お守り21 [21/耐魔/---] 価格[10] [素材] | ▼詳細 | |
11 | 徳冷気商品:飲料 | すごいソーダ [20/好感/---]《装備:11》 | 3 | ▼詳細 |
12 | --- | --- | --- | --- |
13 | --- | --- | --- | --- |
14 | --- | --- | --- | --- |
15 | 素材:素材 | 巨岩21 [21/壮大/---] 価格[10] [素材] | ▼詳細 | |
16 | 素材:素材 | やる気ノート21 [21/熱意/---] 価格[10] [素材] | ▼詳細 | |
17 | カルマ聖魔商品:呪物 | 魔王城の土地の権利書(偽造品) [20/好感/---] | 6 | ▼詳細 |
18 | --- | --- | --- | --- |
19 | --- | --- | --- | --- |
20 | --- | --- | --- | --- |
21 | --- | --- | --- | --- |
22 | --- | --- | --- | --- |
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