ENo.0049　阿山　煕＆赤田　幸

CASE 1：阿山 煕の場合






それは秋の中ごろに近い・・・・まだ半袖でも気持ちが良い、そんな秋晴れの夕暮に起こった出来事。


「ねぇ・・・・ヒロ兄ちゃん・・・・ホントに此処で起こったの？」


「ヒロさんが嘘つくとは思えないけど・・・・うーん？」


ヒロと呼ばれた青年「本当に、ここだって・・・・信用できないなら『九郎』にも聞いたらええやろ・・・・『ニール』、『ノア』、『ネイ』、『ペコロ』？」


何やら妙な会話をしている3人・・・・いや5人と言うべきか・・・・どっから、どう見ても人外の青年たちが何やら『飛ばされた』だの何だの言いあっている。

さて・・・・先に彼等の紹介をしておこう・・・・今回の主役こと『阿山 煕』こと『ヒカル・アヤマ・ウエザラル』は顎に少しだけヒゲを生やし四つ眼で背中に明るい萌黄色の翼、頭部からは『マガキガイ』のような触手（？）のような眼が生えてた姿をしていた。

方や『ニール』、『ノア』、『ネイ』と呼ばれた青年こと『阿山 ニール』こと『ニール・エイリーク・コンラード・アヤマ・ウエザラル』と『阿山 ノア』こと『ノア・エーリング・コンラード・アヤマ・ウエザラル』そして『阿山 ネイ』こと『ネイ・エイスティン・コンラード・アヤマ・ウエザラル』は一つの体に三つの頭、背中には淡い緑色の四枚の翼、頭部には髪の毛のように見える『葉』が髪の代わりに生えていた。

そしてもう一人『ペコロ』と呼ばれた『阿山 ペコロ』こと『ペコロ・ウェザオール・アヤマ・ウエザラル』はヒカルと同じように四つ眼、明るい水色の翼・・・・そして頭には兎の耳が生えていた。

正直、翼が生えていると言う共通点以外は似てないような姿をしているものの、顔や目つき・・・・口元とかが似ている・・・・まぁそれもその筈・・・・ニール達はヒカルの弟であり、ペコロはヒカルの弟の『孫』に当たるのだ・・・・それぞれ血縁がある為、似ている所はしっかり似ているのである。

さて・・・・話は逸れたが、この5人組が何を話しているかと言うと・・・・。


ニール「しかし・・・・コンビニでビール買って家に帰る時に『飛ばされた』って言われてもねぇ？」

ノア「・・・・しかも2回も・・・・そんな事が何度も発生するのかなぁ？」

ネイ「幾らなんでも・・・・3度目も発生するって事は無いよねぇ？」

ヒカル「お前ら・・・・やっぱり半信半疑だろ？」

ペコロ「うーん・・・・『魔法使い』歴の長い僕でも、『じいちゃん』と同じで、やっぱり魔力的なものは感じられないし・・・・うーん？」

ヒカル「お前ら・・・・本気で信じて無いやろ？」

ニール「えっ・・・・そ・・・・そんな事ないよ・・・・兄ちゃん」

ノア「う・・・・うんうん！」

ネイ「ま・・・・まぁさ・・・・買ったビールが温くなる前に帰ろうよ・・・・てか酒飲みたいｗ」

ヒカル「ネイ・・・・お前は単に飲みたいだけやろ？」

ネイ「てへへｗ」

ペコロ「でも僕も早くは帰りたいかなぁ・・・・ちょっと大学のレポート用の資料を纏めたいし・・・・」

ノア「ペコロってホント真面目だよね～？」

ニール「だね・・・・てか今日の所は、ゆっくり飲まない？ほら僕達も手伝える事があったら手伝うしね？」

ペコロ「うーん・・・・そうしようかなぁ・・・・どうしようかなぁ？」

ヒカルを放ったらかしで、わいのわいの言っている四人・・・・だが彼等の視界からヒカルの姿が完全に逸れたその瞬間だった！

突如、ヒカルの背後に以前発生した『時空の穴』が開き・・・・。


ニール「取り敢えず、早く帰ろうよヒロ兄ちゃん？」


ヒカルの方へ振り向く四人・・・・だがその場所には・・・・。


ペコロ「あれ・・・・ヒロさん？」


ヒカルの姿は無かった・・・・。


ノア「あれ・・・・さっきまで居たよね？」

ネイ「うん・・・・何で？」


ぽかんとした顔を見合わせる四人・・・・さて・・・・ヒカルは何処へ行ってしまったのかと言うと・・・・。







・・・・とあるダンジョンの片隅、『四畳半』の『間』に飛ばされていた。


ヒカル「いてて・・・・あー・・・・くそう・・・・結局、飛ばされたのは俺だけかぁ」


少々、がっかりしつつ起き上がる・・・・。


ヒカル「さて・・・・今回は何が起こるのだか・・・・って、あれ？」



四畳半の間の片隅に、うずくまる小柄な人影・・・・その人影に思わず声をかける。


ヒカル「・・・・ねぇ・・・・君は・・・・？」



さて・・・・その正体は・・・・次回へ続く・・・・。

とりあえず立ててみた・・・・まぁ仮ですよ仮ｗ（ひでぇ