ENo.0149　雫の塔

――アムザ・エリザよりの報告書Ⅱ――
さっそく驚くべき報告です。
雫の塔より流れ出る液体から分離し、活動を始めたものの中に言語を介し、交渉および商売を始めるものが現れました。
(状況報告1を参照)
これら――いえ、彼等はある程度の意思と知識を持つ生物であると仮定できます。

また、廃城の入口には「歓迎」「どなた様も中へどうぞ」「お安くなっています」と記された看板が置かれていました。これは前回の調査の際には確認できなかったものです。
この看板を作成したのが彼等であるのならば彼等は文字という文化を熟知しており、またどのような手段かは不明ですが該当地域における文字を習得している事になります。

状況報告1を鑑みて、以後、雫の塔より分泌された液体より分離して活動するこ生物をその特性を鑑みて「従属スライム」と呼称します。


【状況報告1】
(数人の村人が廃城に侵入してすぐに、付近にいた従属スライム達が接近をする)

（村人は動揺。従属スライム達に対して怒鳴るが反応なし）

（従属スライムの1匹が音を発する。村人は警戒し後ずさる）

（音を発した従属スライム、音の質感が徐々に肉声に近づいているように感じられる）

（従属スライム、村人に対して「我々に敵意はありません。我々は別の世界からこの地に来訪したもの。皆さまと良い関係が築けまる事を願っております」と極めて穏やかな口調で話しかける）

（村人、恐慌した様子で逃亡。従属スライム達は追跡は行わず。数分後に村人が侵入する前にいた位置へ移動した）

雫の塔の近くには塔をのんびり崇める聖堂が建てられており、その前は広場になっていて、多種多様な生物が訪れます。