ENo.0095　Minor Agents' Ordinary Union

それは、とある城の物語。
多くの魔王たちが居た時代に、ひっそりと建てられていた城の。

いずこかより現れた侵攻の手を、
迎え撃つため、あるいは防ごうするとために、
魔王と呼ばれし者たちが、各々の城を用いていた。

しかし、ここにある城は、それとは異なり・・・



そこは、小さき者たちの城。
魔王と呼ばれるほどの存在はなく、
力無き者たちが集い、それぞれの出来ることを合わせ、
ときには危機に瀕しながらも、防ぎきっていた場所であった。

侵攻の手が過ぎ去った後、新たにつくられた、もうひとつの城。
新たに姿を現した、迫り来る者たちを防ぐために
目的に合った地に、少しずつ形をつくられつつあった城は、
当時に綴られし言葉を紐解けば、大きな出来事を迎えつつあったという・・・



「いつの日か、城の様子を読み返す者がいたら、なんて思うのだろうな。」
「随分と気の長い話だが・・・やはり例の噂を気にしているのか。」
「再び現れたそうですからね、『最後の侵攻』が」

かつて、力無き者たちが集い、侵攻の手を防いだ城。
その城のある地に、侵攻の手を送り出していたとも言われた、最後の侵攻。
それが再び姿を現し、迫り来るという話が、この城にも伝わってきていた。



「例の噂、もう少し調べてみたのですけれど、何かのめぐりに触れたらしいです。」
「なんとも分かりにくい話じゃが・・・同じようなことが、繰り返されるとでも言うのかの？」
「それって、季節の定番『最後の侵攻』みたいな感じになるわけ？」

これまでの迫り来る者を振り返ってみても、
かつての侵攻の手に似た姿の者を、時折見かけていたことから、
本当に再び起きていると言われるのも、ありえない話ではなかった。

ならばこそ、と浮かび上がってくる策もまた、
不測の事態への備えを含みつつ、以前の策を練り上げた案になりつつある。




「振り返ってみれば、この城も・・・だからな。」
「不測の事態への備えから始まった城が、不測の事態への備えで最後に備える、ですものね。」
「文字通り『不測』だから、上手できるか心配。　　でも、しっかりしてみせる！」

そのような声の聞こえてくるような、備えを進めている城。
言葉を交え、備えを積み重ねていくことで、個々の弱さを補ってきた、それは、
略称をいずこかの地の言葉で語るならば、『魔王』に似た発音になるものだった・・・

そして、迫り来るのは、備えの成果を試される時間。


小さき者たちによって結成されし、M.A.O.U.

最も大いなる者を模したとも言われる、最後の侵攻

その結果がどのように語られるかは・・・