ENo.0028　ハーヴィスト・T・アビス

あきないは続く。
『アンデライト』とやらの救出作戦がいよいよとのことではあるが、我の店に置いてある物品は些か数が少ない。
いくらか仕入れておく必要はあろうが、客をもてなす事に重きを置く我が店としてはあまり"すたんす"を崩したくはないものである。さじ加減は悩ましき事ことこの上ない。

…。
さて、珈琲の売上はまずまず良いのだが、些か数が不足している。我が手製の商品を増やすことにするが、部下たちは顔を見合わせて複雑そうな顔をするではないか。一体何が悪いというのか…。

先日雇った姫君は程々に働いている。目が3つあるということはあの者が以前暮らしていた土地ではあまり良く思われていなかったとのことだが、勇者たちからの受けはまずまずといったところである。
冷たい雰囲気がぞくぞくする、見下す目の数が多いのは良い…などとよくわからぬ感想を漏らすものが幾らかいるのは少々気にかかる部分ではあるのだが…。

何はともあれ、部下の数も良い具合に揃ってきている。働きように関してはまだまだ改善すべき部分が多々あるが、しばらくはこのままあきないを続けてゆこう。

…しかし時折ここは何の店だ？と尋ねられるが、…さて、何の店にすべきであろうか。めいど喫茶なるものにしてもよいではないか？と衣装を試着させようとしたところ、全員が全員それぞれの方法で拒否してきた。可愛らしい衣装であるとは思うのだが…さて、
あの者たちの感性の理解には些か時間がかかりそうである。