ENo.0006　勧誘魔王ローゾフィア

【超味覚の異形口、ダイオプテーズ】

「お、俺としたことが…迂闊…!!」
「(肩に手をそっと乗せ、宥める)」

　『城』とは名ばかりの仮拠点。で、青肌の巨漢が三人。
台に顔を突っ伏してる者、それを宥める者、そして話を聞きながらカクテルを作っている者がいた。
「他に、気が反れるような事でもあったのかな?」
「そうだ、それなんだ…シュラブラにハマっていて…つい…」
「(シュラブラ? と言いたげな顔)」
「知らんのか、トリ。『大激闘修羅ブラザーズ』略して『シュラブラ』だぞ!」
「ゲームだよ。 コラボレーションもしている大容量の対戦アクションゲームさ」
「そうだそれだ」
「(ゲームですか…と言いたげな顔)」
「勧誘コメントを抱えてオンラインプレイをしていたんだが、どーしても敵わない奴がいてな。 リベンジもついに叶わなかった」
「…ところでローゾフィア、君の持ちキャラはバックマンかな?」
「そうだが?」
「敵わない奴というのはhantennってアカウント名かね?」
「そうだ、よく判ったな？」
「それは私だ」
「」
「…」

　そんなゆるい会話を交えた後に、グラスにカクテルを注いだその男が、突如顔を漆黒に変質させた。そしてそのまま一口試飲をする…
「(いつ見ても不思議な能力だよなあ。 この『反転時』に他の力を犠牲にする代わりに味覚嗅覚は突出する、と…)」
そして顔とグラスを戻した。

「うん、想定通りの甘口のカクテルが出来たね。これでも呑んで初心に帰ると良い」
「う、うむ…」
「じゃあ新作の開発も終えたし私は帰るよ」
「えっ」
「店をそんな空けたくないんだよ。 近日お偉いさんも来る予定だしね。それじゃ」
「(BAR経営だし仕方ないね。と言いたげな顔)」