ENo.0006　勧誘魔王ローゾフィア

【雑務代理の異形口、ビクスバイト】

「お前が来てくれれば目立t…」
「ぅぐっ!?」

　ローゾフィアが武器を交えながら喋りかけているのは、獣頭の尾を三つ生やした巨漢である。相手の棒の先端がローゾフィアの脇腹を捉えた。

「ちょ、待っ、～～っ」

　鈍く輝くハルバードを振るう暇もなく、棒であちこち打ち、刺し

「」

　払った。ハルバードと共にローゾフィアは倒れた。

「(お見事、と言いたげな顔)」
「痛ぇ…うぅ、ビクスバイト…」
「ローゾフィア、お前～中途半端やないかいっ
勧誘の成果も戦闘も」
「う"っ追い討ちをかけるのか?!」

　ビクスバイトの口からではなく、尾が喋る。妙な訛り口調で

「せやかて、わいを誘っても意味あるんかいな?
こうやって直接やりあうのはともかく、人を動かす術なんて判らんで」
「い、いや…いてくれるだけでm…」
「いるだけなんて、勿体なくてしゃーないわー!
ほな、また鍛えに戻るさかいに。またな」
「あ、ちょ……」
「(…仕方ないね、三度の飯より戦闘·鍛練が好きだもんね。と言いたげな顔)」