ENo.0067　アルマ・レヴィルノ

「……。これは夢じゃないッス？」

従業員が6人になってからはほぼ裏方で営業のサポートをしていたアルマだったが、誰がどれ位客の相手をしていたとか、そういった事はそれなりに把握しているはずだった。
いつもとあまり変わらないように見えた1日。しかし『作戦』の件もあり、従業員たちはいつもよりも張り切ってサービスに励んでいたのである。

「店を閉めた後の連中が妙にいい顔してると思ったら、こういう事だったッスねぇ…うけけっ」

給料の増額に臨時ボーナス、従業員達にしてやれる事はいくつか思いつくが、他に何か驚かせてかつ喜んでもらえるような何かが無いかと考える。

「…あ。わちしの世界に慰安旅行…これッス！事が全部終わったら全員を招待して――。我ながら名案ッス！」

まだまだ帰れる日は遠い。それでもその日が来た時の楽しみを見出し、悪魔店主は今日も働く。

とある悪魔がひそかに準備していた城の客室
そこはいつでもお茶会が開けそうなほどのお菓子や飲み物が用意されているのであった